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イニストラードを覆う影 先行プレビュー

 今回の担当させて頂くカードの先行プレビューは、グランプリ・東京2016の本戦参加者に配布されるプレイマットのイラストが用いられたカードです。このプレイマットの画像公開と同じタイミングで、そのカードのプレビューを行う事が出来て、大変嬉しく思います。


 さて、プレビューを始める前に、1つ考えていきたい事があります。


 ドロースペルに求められているものとは、いったいなんだろう?


 聡い皆様の事。この前置きからして、今回のプレビューが「ドロースペル」であろうと既にお気づきでしょう。流石です……ですが、もう少々お付き合いください。過去のプレビューでは、わりと簡単にカード画像を公開しておりましたが、たまには焦らしてみようかなと……。我慢できそうでしたら、順を追って読み進めて頂ければ幸いです。


 ドロースペルの強さとは? 求められているものとは? 様々なご意見があるかとは思いますが、概ね次の様なポイントがあるように思えます。


① 軽さ

 軽いか重いか。今日も多くの人々が様々な分野で軽さを追求し続けています。軽いことがメリットとされる事のなんと多い事か! フットワーク、体重、ロケット、PCの動作等々。重さは悪、軽さは善、勿論すべてがそうとは言えませんが、その扱いには如何ともし難い差を感じます。ドロースペルにおいてもそれは同様です。

 マジックの歴史が始まってより今この時まで、多くのドロースペルが産まれてきました。誰しもが認めるドロー界の王《Ancestral Recall》に始まり、レガシーでの脅威の採用率《渦まく知識》やコンボデッキの友《思案》、日本語黎明期の青を支えた《衝動》、フレーバーに富んだ《時間の把握》、スタンダードを支え統率者戦などでも人気の《脅迫的な研究》《知識の渇望》など、枚挙に暇なしと言えます。目的により許容されるマナ域が違うとはいうものの、凡そプレイアブルであるという意味で言えば1~4マナのカードが中心になっており、さらに言えば軽いに越したことはありません。……軽さは正義!


② アドバンテージ

 「あの板東英二」。早口で発音するとだんだんと「アドバンテージ」に聞こえてこなくもありません。Repeat after me “あのばんどうえいじ”! ドロースペルにおいてもあの板東英二は重要です。

 マジックでは1ターンに得られる選択肢は1枚のみという基本原則があり、その原則があるからこそアドバンテージを得るという行為は尊ばれ、また勝利につながる道として広く認識されています。この得られる選択肢の量をどれほど増やせるかが、ドロースペルには期待されています。……あの板東英二のようにっ!


③ めくれる枚数

 過去数多のフィクションで行われてきたように、めくれる枚数の多寡は少なくない男児の精神世界に大きな影響を与えています。そよ風による悪戯、魔力の迸り、日々の研鑽による技巧、その原因や手段はいっその事どうでもいいのです。ドロースペルにおいても状況はそう変わりません。

 理想を言えばすべてのカードが手札に来る事ですが、現在のバランスでそれを求めるためには、①で提示したコストの軽さという点を諦めざるを得ません。そこで重要なのがこの「めくれる枚数」です。カードをめくるという行為は未来の先取りに他ならず、本来「そのカード」に到達するのにかかるターンを大幅にカットする事が可能です。……もっとめくれろっ!


④ 二次的効果

 三次に比べ二次は《反逆の行動》されない、累加アップキープを求められない、といった利点があります。しかしながら三次も精神的充足をもたらしてくれ、また出生率の上昇に貢献できる可能性を持つ等、広範な視野で見れば二次に圧倒的な板東英二があるとは言い切れません。

 よく目にするのは「引いた枚数に等しいライフを失う」という様なテキストでしょうか。スタンダードに限らず活躍の場を広げている《苦い心理》もその代表格と言えます。他にもライフを回復させたり(《生き返りの蒸気》)、ダメージを与える事が出来たり(《予言の稲妻》)するカードも有りました。
また直接的なメリットやデメリットではありませんが、一般的には手札に加えたカード以外の「残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。」よりも、「残りをあなたの墓地に置く。」方が優秀と言えます。これは《束縛なきテレパス、ジェイス》の-3能力や、《瞬唱の魔道士》のETB能力等、墓地のカードを再利用する効果の対象と出来る他にも、墓地の大型重量クリーチャーをコストを踏み倒して戦場に戻すリアニメイト戦術や、探査のコストに出来るといった利点があるためです。……2.5っていうのもあるそうですよっ!?


 今回プレビューでご紹介できるカードは、はたして上記の4点をどの程度満たしてくれているのでしょうか? ドロースペルとしての質やいかに!?
大変待たせしました! 公開させて頂きましょう……!



 《発掘された道しるべ》のほぼ完全な上位互換と言えます!

① 軽さ ☆☆☆★★:まずまず偉い

 スタンダードという観点で見れば、3マナはソーサリーとは言え充分にプレイアブルな軽さです。過去に多くのカードがこのマナ域で使用されており、カードによってはエターナルフォーマットでの活躍もあります。

② アドバンテージ ☆☆★★★:ちょこっと期待

 手に入るカードはインスタント・ソーサリーに限られていますが、2枚を入手するための期待値を満たす24枚という数字は、青赤系の果敢やストーム、一部のコントロールなどで実現可能なレベルといえます。とはいえ多くのデッキで期待できるのはあくまで1枚、「2枚あったら宇宙」のような立ち位置が予想されます。

③ めくれる枚数 ☆☆☆☆★:偉い

 過去の同様のカードに比べ、手札損失(ほぼ)無しに5枚デッキを掘れるのは大きなポイントと言えます。ソーサリーという隙については、中盤以降の中継ぎに使用するか、次ターンの《衰滅》《至高の評決》に繋ぐか……判断が問われます。

④ 二次的利点 ☆☆☆☆★:偉い

 なんと墓地が肥えます。この手のカードの多くが、選択されなかったカードのライブラリー一番下行きを求められていました。《パズルの欠片》は過去『イニストラード』で登場し、度々トーナメントシーンでも見かけられた《禁忌の錬金術》のように、墓地で楽しく遊びやすい環境を支えてくれるかもしれません。エターナル環境では蘇生対象クリーチャーを墓地に落としつつ、《再活性》《御霊の復讐》といった蘇生手段を手に入れる事も可能です。

⑤ 総評 ☆☆☆☆★:期待大!

 《時を越えた探索》《宝船の巡航》亡き後のドロースペルとして、またフェッチランドのローテーションにより3ドローしづらくなる《苦い真理》の代わりとしての使用が見込めるスペックであると言えます! また既に幾つか公開されている『イニストラードを覆う影』のカードにも、相性の良いものが散見されます。《無情な死者》の相棒を用意するために、昂揚を達成するために、等々今後のスタンダードシーンでは度々見かける事になるかもしれませんね!


 フレーバーテキストからも、『イニストラードを覆う影』の重要な謎に触れ、大きく物語が動き出す非常に需要なシーンであることが伺えるこの《パズルの欠片》。5月のゴールデンウィークの予定がまだ埋まっていない方は、グランプリ・東京2016に登録して、是非ともこの《パズルの欠片》プレイマットを入手してみてはいかがでしょうか? 二次募集は4月4日より開始です!